舞鶴海岸調査(日本海): こども海ごみ探偵団

第1回調査予定であった保津川調査を豪雨の影響により延期としたため、
舞鶴海岸が探偵団の本年度初めての調査場所となった。
昨年度に引き続き、京都府内の問題意識の共有を念頭に、
府内の海岸を調査することとした。昨年度同様舞鶴市ではあるが、
調査ポイントを変更し、野原の海岸でごみ清掃と調査(抽出調査)を行った。

日  程

6時15分 スタッフ集合
6時30分 参加者受付
7時00分 亀岡市出発(バス車中で開会式)
8時50分 舞鶴市野原海岸到着
9時00分 野原海岸出発(ボートで調査地点に向けて)
9時30分 調査地点到着・調査説明
9時50分 清掃活動開始
10時20分 ごみ分類調査
11時00分 調査地点出発
12時00分 昼食休憩
13時30分 自由時間(海水浴等)
14時30分 野原出発
16時30分 亀岡市役所到着・解散(到着前に車中で閉会式)
まとめ

日  時  令和元年8月3日(土曜日) 午前7時~午後4時30分
場  所  舞鶴市野原
参 加 者  親子12組31名
スタッフ  14名(川と海つながり共創プロジェクト、ボランティア)
※他に京都府立海洋高等学校の学生が1名見学参加
KBS京都テレビ取材3名

参加者受付の様子

拠点到着・調査地点

清掃活動

ごみ分類調査

海水浴等磯遊び

まとめ

海岸での調査活動は、毎年亀岡の子ども達がとても楽しみにしている事業である。
不慣れな海岸での活動にもかかわらず、大変楽しく清掃活動や調査を行うことができた。

本年度は、地元の野原観光協会の協力により魚つかみ等の体験を用意していただいたことで、
ごみの清掃・分析等の調査以外の面からもきれいな海の大切さを学ぶことができた。

清掃活動においては、普段、報道等を通じてしか見ることのない海外(近隣諸国)からの
ごみや漁業から出るごみ等が非常に多く漂着している現状を目の当たりにしたことで、
参加者は漂着ごみの問題を肌で感じることができた。

舞鶴湾及び日本海では、近年海岸漂着ごみの被害が年々深刻化しており、
加えて外国由来の漂着ごみも増加の傾向にある。

地元では、ボランティア等による回収活動にも限界があることから、
新たな試みとして都市部等の他地域からのボランティアツアーの
積極的な受け入れに活路を見出したい考えであり、
平成29年度から、「こども海ごみ探偵団」を
モニターとして受け入れたいとの協力要請があって実施している。

今後、引き続き両地域の交流活動を深めることで、
双方地域における環境保全活動を通じた地域振興がさらに進むよう取り組んでいきたい。

合わせて、本年度は日本財団主催の「海と日本プロジェクト」とも事業連携を図り、
子ども用軍手の提供と当日の取材を受けることができた。

取材映像は、令和元年8月30日にKBS京都の「きらきん!」で放送され、
団体の活動や海岸漂着物の発生抑制対策を大きくアピールすることができた。

ごみ分類調査結果

調査結果は、参加者が大変暑い中の清掃活動で回収したごみ80袋
(雑多なごみ43袋(緑袋)、缶・ビン・ペットボトル37袋(白袋))のうち
緑袋10袋・白袋を3袋抽出調査したものである。

その他、袋に入らない大型のごみも大量に回収することができた。

日本海は波が高く、発泡スチロール等の軟性のプラスチックが細かく砕けた
破片が非常に多かったが、同時にプラスチックシートや袋の破片はあまり見受けられない。
漁業に使われるフロート(浮き)等のような漁具が多かったことが印象に残った。

今回、白袋(缶・ビン・ペットボトル)については、
3袋分の調査であったが、回収した37袋のほぼ全てがペットボトルであった。

概算であるが、一つの袋に約40本入っていたと考えると、
今回の調査地点だけで1,480本以上のペットボトルごみが漂着していたことになり、
ペットボトルの排出抑制に取り組むことが
大幅なごみの減量につながる可能性を示す結果であるといえる。

また、日本海岸の特徴としては、太平洋及び瀬戸内地域と比較して
近隣諸国からの漂着ごみも多いことが挙げられるが、
ごみの割合では当然国内由来のものが最も多く、
国内海岸のごみ問題を安直に海外の責任に転嫁しないためにも、
今後、環境教育等の啓発活動においては、正確なデータを元に国内国外を問わず、
ごみ排出が多い現状をしっかり伝えなければならないと感じた。

海と日本プロジェクトチャンネル